【緊急講座】小説の言葉、思想の言葉
Written by A.Sasaki on 7 月 22nd, 2010【緊急講座】小説の言葉、思想の言葉
小説家 保坂 和志
哲学者・理論宗教学者 佐々木 中
曜日・時間・回数月 19:00-20:30 全1回
日程2010年 8月30日
受講料8月(1回) 会員 3,360円 一般 3,990円
学生会員受講料8月(1回)1,500円
講座内容
いま、小説の言葉も思想の言葉も、「誰にでもわかりやすい」「リーダブル」であることが求められています。それなのに、入門書や新書などをめくれば、そこには「頭ごなし」で「上から目線」の言葉たちがあふれかえっているのもまた事実です。(「社会学ではこう言う」「現代思想ではこう考えるものだ」「今どきそんな考えは古い、現実を見ろ」という、論拠を欠いた天下り式の言葉たちがいかに多いことか!それは「空気を読め」と押しつける傲慢な挙措とかわることがありません。)
もちろん、できるだけ明快に、そして粘り強く他者に語りかけることはいつの時代でもとても貴重なことです。しかし、「今の自分」にわからない言葉はすべて拒絶し、否定する―こうした態度を許容するような態度は、とても大事なことを取り逃がしてしまうのではないでしょうか。
わかりやすいことをいたずらに難解ぶって語ることは避けなくてはなりません。しかし、ではこの世界そのものが「わかりやすい」でしょうか?われわれの世界は謎などひとかけらもない、平板な、誰にでもわかるようなものでしかないでしょうか?
それほどまでに貧しいのでしょうか、われわれの世界は、われわれの生は、われわれの芸術は?
小説の言葉、文学の言葉、哲学の言葉、思想の言葉。こうした言葉は、この世界そのものの謎に、いや謎そのものの「ひしめきあい」としての「世界」にどこまでも寄り添おうとします。小説の、思想の、すこしずつ歪み、すこしずつ捩れる言葉たち。しかしそれは世界の不可思議さ、われわれのこの世界がそのままに「存在する」ということの「奇跡」に、「ワンダー」に、どこまでも忠実たろうとする意志のあらわれだとしたら?
いたずらに難解ぶることなく、しかし小説でものを考え尽くすということを長いあいだにわたって徹底してきた作家、保坂和志氏と、現今の思想・批評シーンとかけ離れた文体で思想を紡ぎ続ける思想家、佐々木中氏をお迎えし、本当に世界のありのままを「肯定」し「生き抜く」言葉たちはどういうものなのかを、みなさんと考えたいと思います。
★講師都合により突然の休講となる可能性がございます。予め御了承ください。
(休講の際は、お客様へのお電話および本ページにてお知らせする予定です)。
講師紹介
保坂 和志(ホサカ カズシ)1956年、山梨県生まれ。鎌倉で育つ。早稲田大学政経学部卒業。90年『プレーンソング』でデビュー。93年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、95年『この人の閾(いき)』で芥川賞、97年『季節の記憶』で平林たい子文学賞、谷崎潤一郎賞を受賞。 その他の著書に『生きる歓び』『カンバセイション・ピース』 『世界を肯定する哲学』『書きあぐねている人のための小説入門』『小説の自由』ほか。
佐々木 中(ササキ アタル)1973年生。東京大学文学部思想文化学科卒業、東京大学大学院人文社会研究系基礎文化研究専攻宗教学宗教史学専門分野博士課程修了。博士(文学)。現在、立教大学、東京医科歯科大学教養部非常勤講師。専攻は哲学、現代思想、理論宗教学。著書に『夜戦と永遠―フーコー・ラカン・ルジャンドル』(以文社、2008年)、論文に「この執拗な犬ども」、『現代思想・特集ミシェル・フーコー』、青土社、二〇〇九年六月号、「宗教の享楽とは何か―ラカンの〈享楽の類型学〉から」(『宗教研究』三五二号)など。
申し込みURLは以下の通り。(上は一般会員用、下は学生割引会員用)
http://www.asahiculture-shinjuku.com/LES/detail.asp?CNO=85561&userflg=0
http://www.asahiculture-shinjuku.com/LES/detail.asp?CNO=87236&userflg=0


