踊れわれわれの夜を、そして世界に朝を迎えよ 佐々木中 著  ますます濃く、熱く、深く佐々木世界が浸透してくる。奥深い繊細さと晴々とした大胆さとTシャツとせつなさと響きと怒りと心強さと。ーいとうせいこう推薦!



2013年8月8日刊行

佐々木 中
『踊れわれわれの夜を、そして世界に朝を迎えよ』

河出書房新社 ▷www.kawade.co.jp
定価:2,100円 本体価格:2,000円
四六判 上製カバー装 224頁
978-4-309-24627-7 C0010


新時代の思想の旗手として衆目が一致する、佐々木中。しかし彼は時代に踊らされることを拒み、一人みずからのダンスを舞おうとする。フーコー、ジョン・ケージ、イェーリング、ルジャンドル、ロベスピエール、アメノウズメ、ベンヤミン、坂口安吾、シュレーゲル、ノヴァーリス、ヘーゲル、ヘルダーリン、ルター、カフカ、樋口一葉、吉増剛造、ベルクソン、ドゥルーズ=ガタリ、スコット・フィッツジェラルド、マイケル・ジャクソン、ロラン・バルト、中井久夫、フロイト、福島、ラカン、ディディ=ユベルマン、アウシュヴィッツ、吉田健一、フランシス・ベーコン、ジャコメッティ、いとうせいこう、チェルノブイリ、近藤よう子、島田虎之介、この多様な固有名を巻き込みつつ進む、佐々木中の息を呑む雄弁と緻密な論理を一冊で知ることができる最新刊。

[目次] 

踊れわれわれの夜を、そして世界に朝を迎えよ 一部初出
2013/6/29『踊れない国日本』(河出書房新社)に一部収録された磯部涼氏によるインタヴューより佐々木の発言分を全面的に収録

母の舌に逆らって、なお――翻訳・ロマン主義・ヘルダーリン 初出
二○十二年秋、九州講演の記録
2012/11/16 ブックオカ福岡 長崎書店にて

疵のなかで疵として見よ、疵を 初出
——NAMURA ART MEETING 講演の記録
ドゥルーズとベルクソンに抗する写真論から、PTSDに対する考察を経てアウシュヴィッツの「疵」を論じる
2012/10/20 NAMURA ART MEETING 03-04 vol.04「臨界の創造論」より
名村造船所にて

この静謐な倒錯に至るまでに――ベーコンをめぐって × 保坂健二郎 一部初出
2012/10 「芸術新潮」に一部掲載された対談を全面的に収録

神秘から奇蹟へ――小説家いとうせいこうの苦難 一部初出
『想像ラジオ』での再ブレイク以前に書かれた、註183個におよぶ徹底的ないとうせいこう論
2013 文藝 春号掲載 いとうせいこう論 の完全版

ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル 
春の推薦図書特集!

2013/3/24 TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウイークエンド・シャッフル」出演時の発言を完全文字起こし

読む、そして書くということには、終わりがありません。住処がありません。安住がない、安心がない、安定がない、安逸がない。そういういかなる安堵も許されていない。戻ってくる自分が無いのだから。いつまでも、遙かな消失への雪崩れゆきとして、どこまでも流されていくということなのだから。それは流謫にある。それは苦難である。では、そこに歓びはないのか。

 なかったら誰も読まない。誰も書かないよ。
(「母の舌に逆らって、なお」)